アウディの中古車は故障しやすい？その理由と防ぐコツを現役メカニックが解説

「アウディの中古車は故障が発生しやすい」「アウディ自体の故障率が国産車より高い」と見聞きし、不安になってお調べではないでしょうか。

愛車に乗り続けるためには、故障・修理と向き合う必要がありますが、できるだけ長く乗り続けたいという気持ちはオーナー様だからこそ抱える気持ちだと思います。

本記事では、アウディの中古車が故障しやすいといわれる理由や、長く乗り続けるためのポイントを現役メカニックが解説します。

中古車で発生しやすい故障の例にも触れますので、ぜひ最後までご一読ください。

アウディの中古車は故障率が高いのは本当？

アウディの中古車は「故障率が高い」と見聞きしたことはないでしょうか。実際には、国産メーカーよりも多いですが、そのほかの海外メーカーと比較すると特別高いというものではありません。

ではなぜ、故障率が高くアウディの中古車は懸念されているのかの理由を以下に分けて説明します。

• ユーザーの数だけ故障の報告がある
• 日本の土地・気候に合わせて作られていない
• 最先端の技術が発展途上段階である
• 前のオーナーのメンテナンスが不足している
• 電装部品の多用によるトラブルが多発する

ユーザーの数だけ故障の報告がある

アウディの中古車では、ユーザーの数だけ故障の報告があるという特徴が挙げられます。

アウディのオーナー様が有志で投稿し、修理費用の目安やその状態などの情報は、インターネット上に多く広まっています。人気がある一方で、国産車と比べてパーツの流通数が少ないこと、取り扱える専門店も少ないことが特徴です。

アウディでは、故障の報告が多い傾向にありますが、必ずしも中古車だからリスクが高いとは言い切れません。

日本の土地・気候に合わせて作られていない

アウディは中古車に限らず、新車も同様に日本の土地・気候に合わせて作られていないことも故障率が高くなりやすい要因です。

ドイツは夏場が快適な一方で、冬が季節として長く、降雪が多かったり、非常に寒い日が続いたりします。また、湿度は日本と比べるとおよそ1.5〜1.7倍（気象庁およびWetter.comの過去データを比較）ですから、湿度が車に与える影響が多少なりともあると考えられます。

例えば、高温多湿な傾向のある日本でも、樹脂や接着剤およびゴム製品によって機能が低下しやすくなると考えられています。また、カビやサビが発生しやすい原因としても湿度はよく注目され、ドイツの気候に合わせて作られている場合には、その耐久テストの基準が異なるはずです。

最先端の技術が発展途上段階である

アウディには最先端の技術が搭載され、国産車にはない利便性や快適さが追求されています。これは、中古車が新車として販売されていた時期でも同様ですから、「当時の最先端技術」が使われています。

しかし、最先端技術が故に発展途上段階であることも実情で、メーカー独自の設計によって初期不良が起きたり、不慣れな環境によって不測の事態が発生するリスクがあることが考えられます。

最先端技術は使われてから発覚し、徐々に修正を加えて一般的に普及する流れがありますから、中古車であっても当時使われていた技術によって故障してしまうことは十分に考えられる原因です。

前のオーナーのメンテナンスが不足している

アウディの中古車は、前のオーナーのメンテナンス状況によってその状態も大きく異なります。これまで多くの中古車を取り扱ってきましたが、細かい部分にまで気にかけられているオーナー様がおられる一方で、その逆もあるのが実情です。

メンテナンスが不足すると、消耗品の周辺パーツの劣化まで引き起こし、大きなトラブルが発生するときがあります。また、整備が行き届いていない場合には、購入後にすぐ故障したということにもなりかねません。

電装部品の多用によるトラブルが多発する

アウディの中古車で使われている電装部品が多いと、そこを発端として故障が発生する可能性も高まります。湿気によってサビが発生したり、ショートしたりするなどして、電装部品および周辺パーツが異変を起こすといった形です。

また、アウディは積極的に最新技術を取り入れる傾向があり、想定していない場所での走行で思わぬトラブルが起きるといったことも挙げられます。

アウディの中古車で発生しやすい故障の例

アウディの中古車で発生しやすい故障の例は、以下が挙げられます。

エンジンは、何度か挑戦するとかかるから乗り続けるというオーナー様が多いですが、その間にも他のパーツに負荷をかけてしまい、大規模な修理が必要となる可能性が高い箇所です。

また、ハンドル操作による違和感があったり、異音・異臭・振動があったりする場合には、すぐに点検を受けるようにすると、大きな故障となる前に少額の修理で済ませられるポイントです。

アウディの中古車で故障しやすい部位の例

アウディの中古車で故障しやすい部位の例は、以下が挙げられます。

これらの部位は、ドイツ車のアウディならではの理由で発生しやすくなります（土地・機構・最新設備の電装など）。また、経年劣化によって発生しやすい冷却水およびオイル漏れも、日常メンテナンスによる早期発見、対処が長く乗り続けるための秘訣です。

アウディの中古車が故障したときに確認すべき４つのポイント

アウディの中古車が故障したときには、冷静に以下の4つのポイントをチェックしましょう。

環境や状況によっては、故障を誘発するようなことがあったかもしれません。また、故障が起きた部品や部位によって消耗品が原因なのか、それ以外なのかもある程度は判断できるはずです。

また、オーナー様は修理に必要な費用、期間はどの程度まで対応できるのか、これからどこの整備工場に依頼するのかなどまで考えておくと、焦らずに対応できます。

アウディの中古車が故障した際の修理費用の目安

アウディの中古車が故障した際の修理費用目安は、およそ「数千円〜60万円前後」です。

ディーラーでは純正部品によっての修理となりますが、メーカーならではの高い品質で修理を受けられます。一方で、民間整備工場は独自の割引や、中古部品の活用で費用を抑えられるのが利点です。

アウディにかかる修理費用については、以下の記事も参考にしてください。

これって安いの？アウディの修理費用相場と事例｜お得なのは民間整備工場

アウディの中古車を修理するならディーラー？民間整備工場？

アウディの中古車を修理する際には、ディーラーか民間整備工場のいずれかを選ぶことになります。

ディーラーは安全性が高く、純正の部品交換に対応しています。オーナー様がディーラーでお車を購入した場合には、メーカー独自の補償で安く抑えられるのも利点です。

一方で、民間整備工場では修理を受けられる時間が短く、独自の割引で安く受けられるのが利点です。また、中古部品等の利活用の相談までできるのがメリットです。

アウディの故障・修理を安心して依頼したい際にはディーラーを、少しでも費用を抑えたい場合には民間整備工場を選ぶと良いでしょう。

アウディの中古車の故障率を下げるコツ

アウディの中古車の故障率を下げるコツは、以下が挙げられます。

• 定期的なメンテナンスを実施する
• 違和感があったらすぐ点検を受ける
• 車検費用等で買い替えを検討する

アウディは電装部品も多く、消耗品の劣化が湿度等によって早まる可能性があります。そのため、気が付かないうちにオイルが減っていたり、ショートしやすい環境となっていたりするなどがあるでしょう。

愛車に長く乗り続けるためには、定期的なメンテナンスを整備工場から受け、違和感があったらすぐに見てもらうという対処法がおすすめです。

また、車検費用および修理代が40万円を超えてしまうことがあれば、乗り換えも検討する時期でしょう（それでも乗り続けたいという場合にも、カムズでは丁寧にご対応しますのでお気軽にご相談ください）。

まとめ

アウディの中古車の故障率は、国産車と比べると高くなる傾向があります。しかし、明確な数値は出せず、オーナー様が大切にするほど下がっていくものですし、その逆も同様です。

• 定期的なメンテナンスを実施する
• 違和感があったらすぐ点検を受ける
• 車検費用等で買い替えを検討する

などの対応で、大きな故障の発生を防ぎ、消耗品を定期的に交換するメンテナンスが出費を抑えることにも繋がります。