ラグジュアリークラスとしての存在感を誇るA7。
2011年(平成23年)に登場しており、相応の年数が経過していますから、購入したあとにすぐ故障しないかと不安を感じる人が多くいます。
そこで今回は、アウディA7の故障や弱点を現役メカニックがわかりやすく解説します。
なお、本記事では Sportback(スポーツバック)を含めて「アウディA7」と総称し、その故障や修理について触れていますので、ぜひ最後までご一読ください。
A7の故障なら、アウディ専門店のカムズにおまかせください。専門店として30年以上の実績と高い技術力で、高品質な修理・車検・カスタムに対応。アウディ愛好家のカーライフをサポートいたします。
アウディA7で起きやすい故障と修理費用
アウディA7で起きやすい故障は、以下のとおりです。
A7で起きやすい故障
- Sトロニックトランスミッションの故障
- エアコンの故障
- 窓落ち(パワーウィンドウ)の故障
- MMI(ナビ)の故障
- ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の故障
それぞれ、故障の内容と修理費用の目安を現役メカニックが紹介します。
いずれも故障してしまうと修理にかかる費用が高くなりやすいですから、日頃からメンテナンスを定期的に受けておきましょう。
Sトロニックトランスミッションの故障
アウディA7のSトロニックトランスミッション(2ペダルMT)では、変速不調(ギアが入らない)や発進不能などの故障が発生します。
また、発進した際に振動(ガクガク・ガタガタ)が発生したり、信号待ちや駐車で停止すると衝撃を感じたりするといった症状もあります。
Sトロニックトランスミッションの故障は、主にメカトロニクスとよばれる電子機械制御の不具合が原因です。
アウディA7のSトロニックトランスミッション故障では、部品代・工賃・エアコンガス代などで「約60〜80万円」がかかります。
エアコンの故障
アウディA7は、エアコンが効かなくなったり、冷たい風が出なくなったりする故障の発生しやすい車種です。
エアコンの冷媒圧力センサーの不具合が主な原因で、内部のセンサーに取り付けられた基板が破損すると、圧縮機能が正常に動作しないことで動作不良を引き起こします。
また、エアコンの故障では周辺に備えられたコンプレッサーやコンデンサーなどの部品を交換するケースもあります。
アウディA7のエアコンの故障では、修理・交換代などで「約16〜20万円」がかかります。
窓落ち(パワーウィンドウ)の故障
A7に限らず、アウディ全般に当てはまりやすい故障が窓落ちと呼ばれる故障です。
ドアに備え付けられた窓ガラスが落ちて(止まって)しまったり、上げ下げがうまくできなかったりします。
窓落ちの主な原因は、ウィンドレギュレーターという窓ガラスを上下に動かすための部品が動作不良を起こすことです。
多くの場合は、部品を交換するだけでなおりますが、その発生のしやすさによって多くのオーナーから持病とも呼ばれる故障です。
アウディA7の窓落ちの故障では、修理・交換代などで「約5,000円〜5万円」がかかります。
MMI(ナビ)の故障
アウディA7では、MMI(ナビ)の故障によって画面が映らなかったり、何も操作できなくなったりします。
MMI(Multi Media Interface)とは、ナビゲーションやオーディオ、ビジュアルプレイヤーなどの機能やスイッチをまとめてシンプルに操作できるAudiの独自システムのことです。
年式やグレードによって不具合が異なるため、専門の知識が必要であり、場合によっては交換となることもあります。
アウディA7のMMIの故障では、修理・交換代などで「約5〜100万円」がかかります。
ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の故障
アウディA7のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が反応しない故障も、よくあるケースです。
ACCは定速走行・車間距離制御装置とも呼ばれ、安全な距離を維持し、車速を自動的に調整する役割を持ちます。
主な原因はACCに備えられたセンサーの不具合で、メーター内にエラー表示があったり、なかったりします。
どの部分のセンサーに異常が出ているのかは診断しなければわかりませんが、該当する箇所の部品を交換する対応がほとんどです。
アウディA7のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の故障では、修理・交換代などで「約20〜50万円」がかかります。
A7の故障箇所と費用まとめ
・Sトロニックトランスミッションの故障:60〜80万円
・エアコンの故障:16〜20万円
・窓落ち(パワーウィンドウ)の故障:5,000円〜5万円
・MMI(ナビ)の故障:5〜100万円
・ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の故障:20〜50万円
アウディA7における故障・修理の流れ
アウディA7における故障・修理の流れは、以下のとおりです。
- ディーラー・専門店に見積もりをもらう
- 予算に合わせて修理を受ける
場合によっては、予算が足りなかったり、想定以上の費用で買い替えを検討したりすることもあります。
アウディA7の故障を安く修理するなら
アウディA7の故障なら、アウディ専門店のカムズにおまかせください。
- パーツ代が高くて困っている
- 敷居が高くて修理を依頼しにくい
- 緊急対応をお願いしたい
アウディA7の故障に限らず、専門店として30年以上の実績と高い技術力で、低価格・高品質な修理をお約束します。
お困りの際は、先ずはご来社いただき症状をお見せ頂ければ適切なアドバイスもさせていただき、お見積りもご提示させていただきます。
アウディA7の故障で知っておきたいポイント
アウディA7の故障で知っておきたいポイントは、以下のとおりです。
症状に気がついたら問い合わせ
- エンジンのアイドリングが不安定なった
- エンジンの吹け上がりが悪くなった
- 異音などの音に敏感になる
- 警告灯が点灯したら放置しない
エンジンのアイドリングや吹け上がりの不調は、アウディの代表的な故障によって引き起こされる症状です。
また、各種パーツの破損では異音を発生させるケースが多いため、敏感に感じ取れると早期発見に繋がります。
なお、警告灯が点灯した場合でも走行できることで軽視されやすいですが、放置すると大きなトラブルに発展することも少なくありませんので、すぐに問い合わせしてください。
そのほか、代表的な故障で知っておきたいポイントを以下3つにわけて紹介します。
- パーツが揃う販売店を見つけておく
- ディーゼル特有のパーツに目を向けておく
- 警告灯がついたらすぐ整備を受ける
パーツが揃う販売店を見つけておく
アウディA7では、パーツが揃う販売店を見つけておくことが大切です。
代替パーツを手配し、修理する整備工場は意外に少なく、対応してもらえずに困ることがあります。
ディーラーといった相手に頼れないときほど、近くにいつもの整備を依頼できるパートナーを見つけておくことが長く乗り続ける秘訣です。
ディーゼル特有のパーツに目を向けておく
アウディA7には、ディーゼルを採用しているケースがあり、それら特有のパーツに目を向けておくことも大切です。
日常メンテナンスを定期的に実施し、信頼できる整備工場に依頼するなどはいつでもできるようにしておきましょう。
なお、ディーゼル特有のパーツは故障すると修理代が高くなる傾向にありますから、いつでも対応できるよう費用等を備えておくことも重要なポイントです。
警告灯がついたらすぐ整備を受ける
アウディA7では、メーターに警告灯がついた場合、すぐに整備を受けることが大きなトラブルを防ぐポイントです。
なかには、自走不可能となる症状も含まれていますが、点灯のまま走り続けられることもできるので、故障範囲が広がってしまうというケースも少なくありません。
警告灯は何らかの不調を伝えるものですから、気がついたときにはすぐに整備工場へ依頼しましょう。
アウディA7の故障に関するリコール情報
アウディA7の故障に関するリコール情報は、以下のとおりです。
- スターターオルタネーター(発電機)の故障
- 燃料装置(燃料ゲージセンサー)の故障
スターターオルタネーター(発電機)の故障
アウディA7では、クリーンディーゼル車でスターターオルタネーター(発電機)に水分が入り込み、ショートによる火災が発生することからリコール情報が発表されています。
令和2年3月19日~令和2年5月22日 | アウディ A7SB |
【国土交通省】報道・広報 – 報道発表資料 – リコールの届出について(アウディ アウディ A6 40TDIq 他)
燃料装置(燃料ゲージセンサー)の故障
アウディA7では、燃料装置(燃料ゲージセンサー)のセンサー部分がパイプに引っかかり、実際の燃料量と燃料計の表す数値が一致しないことで、リコールが発表されています。
令和2年9月1日~令和3年6月18日 | アウディ A7SB |
令和2年12月3日~令和3年7月12日 | アウディ RS7 SB |
令和元年11月21日~令和3年7月14日 | アウディ A7 SB 45Tq |
令和2年12月17日~令和3年6月18日 | アウディ A7 SB 55Tq |
平成30年7月21日~令和2年10月13日 | アウディ A7 SB 55Tq |
【国土交通省】報道・広報 – 報道発表資料 – リコールの届出について(アウディ アウディ A7 SB 55Tq 他)
アウディのリコールはすでにその多くが対応済みですが、新たな情報がないか気になった際には、以下のアウディ公式サイトで確認できます。
>>公式サイトのリコール情報検索はこちら
故障しにくいアウディの中古車の選び方
故障しにくい中古車のアウディを選ぶときには、以下の販売店であるかを確認しましょう。
販売店の選び方
- 納車前の整備をしっかりと行っているプロの販売店であること
- アウディの整備にまで対応できる販売店であること
- 商品車の販売状態が「室内外共に」綺麗で行き届いていること
- アウディの販売・取り扱い実績が多くあること
また中古車のアウディは、以下の状態をチェックしておくとさらに安心できます。
チェックポイント | 内容 |
---|---|
車検への適合状態 | カスタム車が多いため 外された純正品があるかも大切 |
展示状態 | 車両の状態を見ることが大切 ・ボディが綺麗か ・室内のクリーニングは問題ないか ・エンジンルームは綺麗か |
エンジン音 | 本来はそれほどうるさくない ・異音がある ・違和感がある などは注意 |
オイル漏れ | オイル漏れという致命的な症状がないか |
点検記録簿による修理歴(過去歴) | すべて記録簿に記載することになっている 交換パーツは特に確認しておくべき |
リコールの改善 | 対象の改善は済んでいるか |
機能やエンジン | 種類が豊富にある ・目的の機能があるか ・エンジンに違いはないか などは要確認 |
なお、エンジンルームは可能であれば手を入れて確認しておきたい部分ですし、警告灯がついていないかもチェックしておきましょう。
また、故障は寿命を決めるものではなく、オーナー様が多い車種では「それだけ報告も多くなる」傾向にあります。
10万キロ・20万キロと、走行距離を重ねても整備がしっかりしていれば現役で問題のないフィーリングを楽しめますし、走行距離が短くても故障が相次ぐことは十分にありえます。
寿命の基準によっても異なる部分ではありますが、故障で判断するのではなく、その車両の状態やメンテナンスの記録からチェックすると良いでしょう。
走行距離が10万キロを超えている場合には…
アウディの定期的なメンテナンスを怠っていた場合、以下の懸念が挙げられます。
走行距離によるエンジンの懸念
- パワーロスによる出力低下している
- エンジンの静粛性が損なわれている
- 燃費が低下している
- クーラント(LLC)漏れ
- エンジンオイル漏れ
- ハブベアリングからの音
- ドライブシャフトブーツのグリス漏れ
- サスペンションからの音 など
詳しくは、以下のページで触れているのでぜひ参考にしてください。
アウディの故障を予防する方法
アウディでは、車検・点検時にはエンジン内部の洗浄整備により、故障を予防する方法がおすすめです。
例えば、故障は早めの発見が必要なため、最低1年に1度は点検を行うと良いでしょう。
また、エンジンオイルの管理不足は重大な故障を招く可能性が高いことから、定期的な交換をおすすめしています。
さらには、アウディの故障で多いトランスミッションが精密機械であることも踏まえて、DSGオイルの定期交換により故障予防に努めましょう。
まとめ
アウディA7に発生しやすい故障と、修理費用の目安は以下のとおりです。
A7の故障箇所と費用まとめ
・Sトロニックトランスミッションの故障:60〜80万円
・エアコンの故障:16〜20万円
・窓落ち(パワーウィンドウ)の故障:5,000円〜5万円
・MMI(ナビ)の故障:5〜100万円
・ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の故障:20〜50万円
中古車で購入した場合には、整備や現在の消耗品の状態によって、故障のしやすさが変わりますので、適切に対応を続けて長く乗り続けましょう。
A7の故障なら、アウディ専門店のカムズにおまかせください。専門店として30年以上の実績と高い技術力で、低価格・高品質な修理をお約束します。
中古車販売も手がけておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。