CAMS’FACTORYがお届けする「復刻車シリーズ」の1台である1997年ボルボ850セダンをご購入をいただいたおりましたが、以前にも整備の様子をこちらでご紹介いたしました。
その後は作業も順調に進みお陰様でご納車をさせていただく事が出来ましたので、その作業の様子をいくつかご紹介いたします。今回の作業目的も故障に対する予防整備として広範囲にわたるのと、以前の車両の仕上げ段階で済ませている項目とがあるので主な点に絞っております。
先ずはライト関係から着手となりますが「復刻車」の標準装備であるHID化をいたします。ライトを本体から外し分解後HIDに改造いたします。左にはライトレンズを外すと中の状態がこのように反射板が現れてきますが、この反射板も再メッキ加工のパーツと交換済みである為にライトの光量は格段に向上しております。
ロアアームブッシュの劣化によりロアアーム交換(ブッシュのみの交換が不可)となった様子となります。勿論左右共となりますが、これにより走行安定性も改善されることとなります。
足回りではブレーキ系統の改善の必要になりますが、ブレーキキャリパーのオーバーホールにも取り掛かります。オイル漏れ予防、ブレーキパッド動作機能回復がこれにより改善となります。このほかにもブレーキホース劣化によるホースの取り換えも同時に進めております。
エンジンの本体にも手が付けられていますが、ここではタイミングベルト及びウオーターポンプの交換作業を進めます。すでに交換済みとなったパーツを並べていますが、交換作業はこの僅か数センチの隙間の中での作業となりますので決して楽ではありません。
同じエンジンルーム内の正面に見える丸く黒い物体がありますがそれがこのブレーキマスターとなります。この850モデルのブレーキマスターのこの部分がなぜかペイントがはがれ錆が出ている状態となります。なんでかの原因は判りませんが、見た目も良くなく黒でペイントし見た目を改善いたしました。
写真の中央に丸い茶色のようなものがりますが、これはサーモスタットで水温により開閉する調整弁となりますが、ここもオーバーヒート等の予防のために新しく交換をしております。
ここでは室内環境の改善のための作業となりますが、エアコンの洗浄作業により除菌洗浄を行います。フロント助手席前のダッシュボード下にこのように備えられていますが、カバーを外し手の作業を行っております。この作業後には新しいエレメントを装着しエアコン環境の改善が図られました。
各部の予防整備も殆ど進めた後にはいよいよエンジン本体の最終作業になりますが、燃料系統の改善のために燃料のフィルターも取り換え、スパークプラグもすべて交換、電力を向上するための社外品のハイテンションプラグコードに変更し安定した環境に改善しております。すべて純正品だけでなく良いものを選択して改善を行っている事も【復刻車つくり」の特徴でもあります。
作業もメカニックの奮闘によりエンジンも元気に始動しましたので、最後の総点検を行います。その後は私、武藤によるテスト走行を実施、一般道、高速道を100Km近い走行によりエンジンの様子伺い、ブレーキの慣らし、異常音のチェック等を行っております。今回もテスト走行後にアクセルワイヤーの交換も実施しております。
私のテスト走行先でパチリと記念に取りました。因みに走るコースもほぼ決まっており、横浜の海岸線沿いの高速道から一般道路を景色を楽しみながら約2時間近くの走行しておりますが結構楽しいものです。
その後はお陰様でご納車も出来まして、問題なくお楽しみをいただいている様子です。本当にご購入ありがとうございました。ぜひスローライフをお楽しみください。
武藤でした。